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6年 物の燃え方と空気 ─ Plan

単元情報

時数: 8時間 | 時期: 4月〜5月 | 教科書: p.16-33

教材分析

物の燃え方と空気は、6年理科の最初の実験単元。ろうそくの燃焼を通して「ものが燃えるには空気(酸素)が必要」であることを実験で確かめる。理科開きのろうそくマジックで生まれた「なぜ?」を、この単元で解き明かす。

条件を変えた実験(密閉/開放、酸素/窒素/二酸化炭素)を計画・実行する中で、「条件をそろえる」「いろいろな方向から考える」力を育てる。

沖縄の文化背景として、ムーチー(月桃の葉で餅を蒸す文化)やエイサー(盆踊りで使うたいまつ)など、火を使う伝統的文化行事が身近にある。これらを題材に、燃焼と生活文化の接点を探る。

研究の視点との接続

視点 この単元での手立て
見通し 全8時間の流れを提示。理科開きのろうそくマジックとつなげる
選択肢 実験計画を班で立てる。検証方法を複数提示し、選ばせる
確認(CP 4時間目終了時にCP。酸素・窒素・二酸化炭素の実験結果を整理し、考察の方向を確認

めあて(単元全体)

ものが燃え続けるためには何が必要か、実験で調べよう。

仮説(この単元で検証したいこと)

  • 理科開きの「ろうそくマジック」が単元の問いとして機能するか
  • 実験計画を子どもが立てるとき、「条件をそろえる」が自然に出てくるか
  • 班で実験方法を選ぶことで、主体性が高まるか
  • 沖縄の文化背景(ムーチー、エイサー)を導入することで、学習がより身近なものになるか

評価規準

段階 実験の質 評価基準
A 深い理解と統合 酸素・窒素・二酸化炭素の実験結果を統合し、燃焼のメカニズムを自分の言葉で体系的に説明できる
B 標準的な理解 気体検知管や石灰水を使い、燃焼前後の空気の変化を調べられる
C→B への手立て つまずき時の支援 燃焼前後の気体検知管の数値を表に並べ、「増えた?減った?」と視覚的に比較させる

つまずきポイントと対策

よくあるつまずき

「酸素=空気」と混同する

多くの子どもは「空気がないと燃えない」→「空気=酸素」と単純に考えてしまう。しかし空気は窒素78%、酸素21%で構成されている。

対策: 実験の冒頭に空気の組成グラフ(円グラフ)を提示。「空気の中には色々な気体が混じっている」ことを可視化してから、各気体の役割を調べる実験へ進む。

沖縄の地域性と文化背景

沖縄の火文化

  • ムーチー: 旧暦1月8日に月桃の葉で作った餅を蒸す。薪火を使う伝統。年1回、全家庭で火を使う重要な行事
  • エイサー: 盆踊りの一形式。かつては田んぼの火を焚いた時代もあり、たいまつとの関連が深い
  • 火の文化: 沖縄は亜熱帯のため、本州より火を使う季節が長い。乾季と湿季のメリハリもあり、防火意識が重要

これらの文化行事を学習に組み込むことで、子どもたちが「燃焼=科学」ではなく「燃焼=生活」として理科を実感できる。

ICT活用計画

活用場面 ツール 活動内容
気体検知管の記録 タブレット+表計算 複数ろうそきの酸素濃度データを時系列記録。数値をExcelで入力し、グラフ化
実験映像の視聴 NHK for School 「ろうそくの炎」「燃焼」など科学映像を授業内で活用
実験計画の班論議 ロイロノート 班で「どんな条件で比較するか」を計画シートに記述・共有
結果の比較検討 電子黒板投影 各班のデータを一覧にして投影。「なぜ値が異なるのか」を考察

全8時間 展開表

1時間目:物が燃えるって何?~ろうそくの炎を観察する~

時間 学習内容 活動 評価・指標
導入 (3分) 理科開きのろうそくマジックの想起 「あの時、なぜろうそくは消えたのかな?」と問い返す 問いが復活するか
展開1 (15分) ろうそくの炎の観察 燃えているろうそくを虫眼鏡で観察。炎の色・形・熱・光などを記録。「炎の中には何があるのか」と疑問を持たせる 詳細な観察ができるか
展開2 (15分) 燃えるときの現象まとめ 「光が出る」「熱が出る」「煙が出る」「ろうが少なくなる」などを整理。「これらはすべて、何か物質が使われているからでは?」と考える 現象の背景に物質を見出せるか
展開3 (12分) 本時のめあて確認 「物が燃えるときに何が使われているのか、実験で調べよう」と宣言。全8時間の流れを掲示 学習の見通しが立つか

2時間目:燃焼の条件を探索する~空気・熱・燃えるもの~

時間 学習内容 活動 評価・指標
導入 (3分) 本時の課題提示 「ろうそくが燃え続けるには、何が必要か。三つの条件を見つけよう」 課題の構造が分かるか
展開1 (18分) 実験計画を班で立てる 各班が「密閉/開放」「加熱の有無」など条件を変えた実験計画を立案。「何を変えて、何を同じにするか」を明確にする 条件制御が自然に出てくるか
展開2 (15分) 予測と根拠の記述 「こう変えたら、どうなると思う?」と予測を記述させ、根拠を問う 予測の根拠が明確か
展開3 (9分) 実験準備と共有 各班の計画を全体共有。「どの班とどの班が異なる視点で実験するのか」と比較 計画の多様性を認識できるか

3時間目:酸素が使われるか①~気体検知管で測定~

時間 学習内容 活動 評価・指標
導入 (3分) 気体検知管の使い方説明 「この機械は空気中の酸素の量を測ることができます」と示す 道具の機能が理解できるか
展開1 (20分) ろうそく燃焼前後の酸素測定 班ごとに、燃焼前の空気の酸素濃度と、ろうそくを燃やした後の酸素濃度を測定。データを記録表に記入 測定の正確さは適切か
展開2 (12分) データの整理と比較 複数班のデータを並べ、「燃焼前21%程度だった酸素が、燃焼後は18%程度に減った」という共通パターンを見出す パターン認識ができるか
展開3 (5分) 考察と予想 「酸素が減ったということは、何に使われたのか」と仮説を立てさせる 科学的推論ができるか

4時間目:酸素が使われるか②~複数ろうそくで条件を整える~

時間 学習内容 活動 評価・指標
導入 (3分) 本時の問い確認 「ろうそくが多いと、酸素はどのくらい減る?」と条件を増やす 段階的思考ができるか
展開1 (18分) ろうそく数を変えた実験 1本・2本・3本などろうそく数を変え、同じ容積の空間で燃やした時の酸素減少量を比較。容積と時間を統一して条件をそろえる 条件制御が実行できるか
展開2 (12分) データを表とグラフに 「ろうそく本数」と「酸素の減り方」の関係をExcelで表とグラフ化。「本数が増えるほど酸素が多く使われる」という比例関係を見出す データ分析ができるか
展開3 (7分) 中間チェックポイント ここまで4時間の実験で「酸素が燃焼に使われる」ことが明らかになったことを確認。次は「他の気体は?」という問いへ 学習の進捗を自覚できるか

5時間目:二酸化炭素ができるか~石灰水テスト~

時間 学習内容 活動 評価・指標
導入 (3分) 石灰水の役割説明 「石灰水は二酸化炭素と反応して白く濁ります」 試薬の機能が理解できるか
展開1 (18分) ろうそく燃焼時の気体を石灰水で調べる ろうそくを燃やしたビンから出た気体を石灰水に吹き込む。「白く濁った=二酸化炭素が出た」を確認 現象の観察と解釈ができるか
展開2 (12分) 燃焼前後の空気を比較 「燃焼前の空気も石灰水で試す(濁らない)」→「燃焼後は濁る」という対比で、ろうそくから新しく二酸化炭素が作られたことを確認 論理的比較ができるか
展開3 (7分) 仮説の検証 「酸素が使われ、二酸化炭素ができるということは、何が起きているのか」と化学反応の存在を意識させる 現象の背後にある物質変化を想像できるか

6時間目:燃焼前後の空気の変化をデータ化する~結果の統合~

時間 学習内容 活動 評価・指標
導入 (5分) これまでの実験結果を総覧 「これまで5時間で何を調べたか」を時系列で確認。酸素減少、二酸化炭素発生、データ増加の流れを俯瞰 全体像が把握できるか
展開1 (18分) 燃焼前後の空気組成を表作成 班ごとに、燃焼前後の酸素・窒素・二酸化炭素の濃度(推定値含む)を表にまとめる。「何が減り、何が増え、何が変わらなかったか」を整理 複数データの統合ができるか
展開2 (10分) 全班の数値を比較・考察 複数班のデータをまとめ、「ほぼ同じパターンが見えるか、異なるか」を検討。「なぜ数値に差があるのか」を考察(実験条件の微細な違いなど) 変動と原因の関連付けができるか
展開3 (7分) 「燃焼の仕組み」の言語化 「燃焼とは酸素と物質が結合し、新しい物質(二酸化炭素など)を作る反応である」という科学的説明へ向かう 抽象的理解が深まるか

7時間目:沖縄の文化と燃焼~ムーチー・エイサーと科学~

時間 学習内容 活動 評価・指標
導入 (5分) ムーチーとエイサーの説明 「沖縄では旧暦1月8日にムーチーを作り、薪火で蒸します」「エイサーではたいまつを使います」と紹介。映像で火の使い方を見せる 文化背景が理解できるか
展開1 (15分) 文化における燃焼の役割を考える 「ムーチーの薪火では何が燃えているのか」「なぜ火が必要か」を考えさせる。家庭での火の使い方も調査 科学と文化の接点が見えるか
展開2 (12分) 安全な火の使い方・防火意識 「火が酸素を使って燃える→酸素が増えると火が強くなる」「閉じた空間での火は危険」など、実験結果から防火・防災の知識を導く 応用的思考ができるか
展開3 (6分) ふりかえり 「私たちの生活の中で、『燃焼=化学反応』が起きている場面がどのくらいあるか」を列挙 生活との連携が強化されるか

8時間目:まとめと応用~火の安全な使い方~

時間 学習内容 活動 評価・指標
導入 (5分) 単元全体のふりかえり 「8時間でろうそくマジックの秘密が解けたね」と達成感を共有。「物が燃えるには酸素が必要」という学習目標の達成を確認 学習の充実感が得られるか
展開1 (15分) 火の安全な使い方を科学する ① 酸素が多い環境では火が強くなる(風で火が強まる)② 酸素が少ない環境では火は消える(密閉で酸素不足)③ 温度がないと火は起こらない という3条件から、安全ルールを導出 理科が生活安全と結びつくか
展開2 (10分) 次単元への接続 「物が燃えると二酸化炭素が出る。この二酸化炭素は植物が吸収する。つまり、燃焼と植物の成長は互いに関係している」と、次単元への橋渡し 単元間の連携が見えるか
展開3 (8分) 評価と自己省察 「実験を通して自分の仮説がどう変わったか」をふりかえり記述。科学的思考の深化を自覚させる メタ認知ができているか

自動生成: 2026-04-12 | パイプライン v2